第91章

帝都拘置所。

久世美月は冷たく硬い板張りの寝台に横たわり、か細い身体を小さく丸めていた。

薄暗い隅に捨てられたボロ雑巾みたいに、腐りかけた臭気がじわりと漂う。吐き気を催すほどの――。

久世美月は冷えきった暗い瞳で壁を見つめた。そこに刻まれた無数の傷。ここへ入れられて、今日で七日目だとわかる。

母の勾留期限は切れたはず。悠真兄なら、もう迎えに行っているだろう。

自分も――そろそろ、出る番。

「久世美月。処置の時間だ!」

拘置所は、どこか弁護士という職業と繋がりがある場所だ。久世悠真は前もって根回しをしていた。

美月が収容されてからも医師が薬を替え、体調を逐一見てくれるように。

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